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株式会社フルハシ環境総合研究所による環境問題、環境経営に関する提言・オピニオン発信を目的としたサイトです。

2015年2月27日金曜日

35.BCPトレーニングの重要性について考える(4)

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 2015年2月6日発行 株式会社フルハシ環境総合研究所
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        GMM [Green Mail Magazine] No.267
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【本日の特集】
1.緊急時に被害を最小に保つために 
  -BCPトレーニングの重要性について考える-(4)
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○BCPを成功させるために
対応できない「想定外」の事象は発生する。
どんなシステムも自然の脅威や組織のトラブルなど、思いがけない出来事に脅
かされることがある。なぜこれだけ科学が発展しても、事前予測し対応できな
いのだろう。
計画を実行する際、目的のあいまいな作戦は失敗する。それはBCPにおいて
も同じである。事業継続という到達点(事業の復旧点)を見極めない限り、
BCPは成功しない。そして起点となる出来事は、突然予想もしなかった形で
発生する。
こんなことがあった。もう二十年も前のことである。当時私が勤務していた工
場が出火した。休日の屋外の溶接工事の火が工場内に燃え移ったのだ。外注の
業者による屋外の工事であったことから、屋内での出火を想定していなかった
のである。休日で出火は気付かれることが無く、火災報知機が感知し、警報が
鳴って初めて守衛が知った。休日出勤していた私は守衛から要請を受け、屋内
消火栓での消火を試みた。しかし、思ったように水が出ない・・・。水圧が不
足していた。地下水槽の消火ポンプの起動ボタンを押し忘れ、ポンプが動いて
いなかったのだ。あわてていて手順を間違えていたのである。幸いなことに火
は燃え広がらず、屋内にあった設備や機材の被害は少なく、ボヤ騒ぎで収まっ
た。大きな火災に発展していたら、生産計画の変更が余儀なくされ、また、何
より企業のあらゆる面での信用を失墜することに繋がっただろう。当時の見識
では、「想定外」の工事だった。
そして「想定外」のことが起きた時、人は通常できることもできなくなる。必
要な事もやれなくなる。何からやればよいのかも、分らなくなる。だからこそ、
トレーニングが何より肝要である。
同時に、災害時に日本の企業に必要とされるのは、被害にあった直後の復旧点
(回復点)までの戦略である。これを明確にしておく必要がある。この場合の
戦略とは復旧点に行き着くための、ヒト・モノ・カネの具体的配置である。
モノ・カネの配置については機会を改めて解説したい。
戦略を実行するにはヒトが無事でなければならないが、つくづく思う。「非常
時こそ落ち着いて行動でき、柔軟な思考を保つことができるスタッフ」が必要
である。そのような人材の養成・配置こそが、BCP戦略の要点となる。
これまで4回にわたり事業継続計画(BCP)に関して自分の経験から意見を
述べてきた。私の遭遇した事象は、(幸いなことに)大きな被害に発展するこ
となく、復旧にも長い期間を要するものではなかったが、経験して思うことは、
事故や災害などに際して事業継続を計画通りに行うことは非常に困難であり、
また、継続計画自体が状況にそぐわなくなっていることも多いということだ。
だからこそ、緊急時に被害を最小に保つためには、計画(BCP)のたゆまぬ
見直しと、訓練による実行力と思考力を兼ね備えた人材の育成が必要なのであ
る。(所員:徳永)

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